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編集後記より
「展開」という概念を競馬予想に導入したのは,競馬の神様・故大川慶次郎さんだといわれています.先頭の馬のペースが速いか遅いかで「展開」が決まります.ハイペースの展開だと先頭の逃げ馬や先頭付近にいる先行馬はレース終盤やゴール前では疲れてしまってスピードが落ちる可能性が高まります.したがって後ろにいた馬達に追い込むチャンスが生まれやすくなります.逆にスローペースの展開だと,先にいった馬がそのままのリードを保って逃げ切るチャンスが広がります.もともと馬は一塊になって集団で走る性質がありますが,その集団の先に行きたがるか,後ろにいたがるかはそれぞれの馬の性質によって異なります.馬の脚質といわれるもので調教ではなかなか修正できない天性のものです.逃げ馬・先行馬・差し馬・追い込み馬・・・馬にはそれぞれに自分にストレスがかからない走り方があり,脚質を無視すると脚を失くします.馬が本当に意図して全速力で走れるのは1ハロン(200m)くらいだと考えられているので,勝負どころまでいかにリラックスして走らせるかが勝敗を分けるポイントになります.
ウチの医局の先生達の脚質もそれぞれ異なります.「さあ臨床神経学に投稿しよう」となった時,だいたいこのくらいの期間で初稿を書き上げようと締切を設定すると,設定した瞬間からどんどん書き始めないと(あるいは準備していないと)気が済まない先生がいるかと思えば,逆にもっと早く準備しないと締切に間に合わないのではないかとハラハラさせられる先生もいます.私はこっそり前者をダイワスカーレット,後者をスウィープトウショウと呼んでいます.ダイワスカーレットに後方待機させても走らなくなってしまいますし,スウィープトウショウに先行させても最後の切れ味がなくなってしまいます.
臨床神経学に投稿すると決めたら,締切を設定してください.その締切に向けて,なるべくストレスのかからないような執筆スケジュールを立ててください.その際自分の脚質に十分配慮してください.やみくもに先行していろんなことが気になってしまい要点がまとまらないとか,ぎりぎりまで後方待機して最後に追い込もうと思ったけどケアレスミスが多くなってしまった等は避け,しっかりゴール(投稿)してください.たくさん査読していると,執筆過程まで推察できる論文に出会うことがあります.私が敬愛してやまない先輩の脳神経内科医は原稿を依頼されると,「本当の締切はいつですか?」と編集者に問い合わせしているそうです.締切を確認して脚を測っているということです.その先生は鼻差で差し切るのが好きなんだと思います.
けっして馬群に沈まないでください.ゴールラインできっちり仕上がった論文をお待ちしています.
(今井 富裕)
投稿者へのアピールポイント
日本の神経内科学のリーディングジャーナルとして
- ★PubMed/MEDLINEにabstractだけでなく、全文が収載されています。
- ★日本の神経内科学のリーディングジャーナルとして、年間450万件以上(2023年集計)のアクセスがあります。
- ★2015年からオープンアクセスジャーナルになり、アクセス数の増加、被引用論文として有利な状況となっています。
- ★毎月、最新号のメール目次が会員へ配信されています。
- ★2015年5月J-STAGEにてから早期公開を開始しています。
- ★2022年5月から著作権の面でもオープンアクセスとなり、掲載された図表は学術目的であれば、申請せずに他紙や学会発表で転載利用できるようになりました。
若手医師の登竜門として
- ★卒後間もない先生方に発表の場を提供しています。
- ★投稿論文は温かく育てましょうという理念の下、査読は極めて教育的、建設的に行われています。
- ★査読が迅速です(昨年度の初投稿原稿の平均査読日数は10日間)
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