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編集後記より
向田邦子はエッセイで「ことばは音である」,「『馬鹿』私が書くこの一言のセリフを,森?さんは,その時々のシチュエーションにふさわしく,百通りにも二百通りにも,いろんな人間がいるんだなあ,と書いた人間をびっくりさせるほど,鮮やかに,空気の中に立ち上らせてくれました」と書いています.「馬鹿」は記号としてはひとつですが,発話におけるプロソディーなどの変化により,さまざまな情報を加えることができます.記号としての言語は主に左大脳半球,プロソディー,隠喩など記号以外の言語特徴は主に右大脳半球が担っていると言われています.
自分の研究成果を発表する方法としては論文と口頭発表があります.論文は記号である文字を駆使して,なるべく正確に自分の見つけた事実を伝えるものです.一方,口頭発表は同じ事実を伝えるにしても少し様相が違います.その事実を見つけるに至った経緯,その時の感情の動きを含め,多少のアドリブを加えながら伝えることになります.昨今はCOVID-19の影響でWebでの講演が増えており,口頭発表の利点がいまひとつ生かせないのは残念なことです.もちろん内容のすばらしさだけで心に残る講演もありますが,総じてWebで聞いた講演は印象が薄くなる気がします.普通の講演者は森繁久彌さんのように音声だけでいろいろなニュアンスは伝えられませんので,Web講演では身振りや手振り,表情や佇まいなど言外のメッセージが欠けてしまうのでしょう.
自分が見つけたことを記号を使って論文にまとめたら,それを多くの人に知ってもらうため,熱意を込めて口頭発表することは大切な作業です.SNSを使って周知する方法も広く使われるようになってきましたが,じかに対象に伝える手段として口頭発表は未だ重要な役割があると考えられます.将来ChatGPTが研究論文を書いてしまう時代が来るかもしれませんが,自分で考えたことを論文化し,それを自分の言葉で語ることは研究を行った本人にしかできません.それは自分の思考のプロセスを磨き上げていく過程でもあります.特に若い先生方は,ぜひ本誌への投稿をきっかけにして,考え,発表する習慣をつけていただければと願っています.
(鈴木 匡子)
投稿者へのアピールポイント
日本の神経内科学のリーディングジャーナルとして
- ★PubMed/MEDLINEにabstractだけでなく、全文が収載されています。
- ★日本の神経内科学のリーディングジャーナルとして、年間500万件以上(2019年集計)のアクセスがあります。
- ★2015年からオープンアクセスジャーナルになり、アクセス数の増加、被引用論文として有利な状況となっています。
- ★毎月、最新号のメール目次が会員へ配信されています。
- ★2015年5月から早期公開を開始しています。
若手医師の登竜門として
- ★卒後間もない先生方に発表の場を提供しています。
- ★投稿論文は温かく育てましょうという理念の下、査読は極めて教育的、建設的に行われています。
- ★査読が迅速です(2019年度の初投稿原稿の平均査読日数は8日間)
- ★日本神経学会の英文誌Neurology and Clinical Neuroscienceと同じ、投稿システム「ScholarOne Manuscript」を採用しており、将来の英文誌の投稿へも役立ちます。
症例報告が多く掲載されています
- ★日々の診療に直接役立つ、日本語での症例報告を多く掲載しています。
- ★図と表を合わせて最大6個も掲載できるので、多くの情報を共有できます。完全電子化により、カラー代も無料です。
- ★Letters to the Editorを通して、発表された症例を討議することができます。
その他
- ★英文投稿も受け付けています。