投稿をお考えの方へ

編集後記より

 “科学もやはり頭の悪い命知らずの死骸の山の上に築かれた殿堂であり,血の川のほとりに咲いた花園である.”これは,著明な物理学者,随筆家の寺田寅彦博士の“科学者とあたま”の中の一節です.青空文庫で全文が見られますので時間が在ればお読み下さい.この随筆で氏は,“頭のいい人には恋ができない.恋は盲目である.科学者になるには自然を恋人としなければならない.自然はやはりその恋人にのみ真心を打ち明けるものである.科学の歴史はある意味では錯覚と失策の歴史である.偉大なる迂愚者の頭の悪い能率の悪い仕事の歴史である.”とも述べています.
 臨床医学では,本来失敗は許されません.しかし,我々は失敗するかしないかの所を常に歩んでいるのが実際です.症例報告は,失敗しそうな状況をなんとか乗り切った経験の報告とも言えるでしょう.医学は不確実な事象の積み重ねであり,その不確実性の中で,最適解を見出す努力を日々積み重ねた結果の経験則による学問です.その意味で,一人の失敗経験には限りがあり,他者の臨床報告から学ぶことは多いと思います.目の前の症例が報告する価値があるかどうか考えるときに,こんなことをわざわざと思うかもしれません.しかし,後世から見れば,今の我々の診療の多くは乗り越えられていくべき,こんなことをという物なのです.本誌は,今の我々の“日々の効率の悪い仕事の歴史を積み重ね,その血の川のほとりにいつか咲くであろう花園”の糧となる場と考えています.是非,皆さんと私達の“錯覚と失策の歴史”を記録に残して頂きたいと思います.
 寺田寅彦は更にこう綴っています.“研学の徒はあまり頭のいい先生にうっかり助言を請うてはいけない.きっと前途に重畳する難関を一つ一つしらみつぶしに枚挙されてそうして自分のせっかく楽しみにしている企図の絶望を宣告されるからである.”本誌の査読にあたり,できるだけ,楽しみにしている企図の絶望を宣告しないよう心がけています.
 私は,この随筆を,故 中野今治先生から教えて頂きました.神経病理学者としても,臨床家としても著明な中野先生が,この想いを胸にされ,日々お仕事に臨まれていらっしゃったと考えますと改めて襟を正します.先生は,本誌の編集長も永年勤められました.先生が,今も,本誌が,臨床神経学に恋をしている諸氏の想いを受け止めるよう願っていらっしゃると推察し,そのご意志を継いでいきたいと考えています.皆さんからの投稿をお待ちしています.

(小野寺 理)

投稿者へのアピールポイント

日本の神経内科学のリーディングジャーナルとして

  • ★PubMed/MEDLINEにabstractだけでなく、全文が収載されています。
  • ★日本の神経内科学のリーディングジャーナルとして、年間310万件以上(2017年集計)のアクセスがあります。
  • ★2015年からオープンアクセスジャーナルになり、アクセス数の増加、被引用論文として有利な状況となっています。
  • ★毎月、最新号のメール目次が会員へ配信されています。
  • ★2015年5月から早期公開を開始しています。

若手医師の登竜門として

  • ★卒後間もない先生方に発表の場を提供しています。
  • ★投稿論文は温かく育てましょうという理念の下、査読は極めて教育的、建設的に行われています。
  • ★査読が迅速です(2017年度の初投稿原稿の平均査読日数は15日)
  • ★日本神経学会の英文誌Neurology and Clinical Neuroscienceと同じ、投稿システム「ScholarOne Manuscript」を採用しており、将来の英文誌の投稿へも役立ちます。

症例報告が多く掲載されています

  • ★日々の診療に直接役立つ、日本語での症例報告を多く掲載しています。
  • ★図と表を合わせて最大6個も掲載できるので、多くの情報を共有できます。完全電子化により、カラー代も無料です。
  • ★Letters to the Editorを通して、発表された症例を討議することができます。

その他

  • ★英文投稿も受け付けています。