臨床神経学

依頼総説

発達軸に沿ったコミュニケーション研究:neuroimaging approach

定藤 規弘1)2)*

1)立命館大学総合科学技術研究機構
2)自然科学研究機構生理学研究所

人間のコミュニケーションは「意味の伝達と共有を図る双方向的・循環的・創発的な記号・象徴行為」であることから,その神経基盤探索においては,伝達と共有の両概念を適用する必要がある.対面コミュニケーションは,「情報,観念,あるいは態度を共有することにより相手の心的状態を変えること」と定義できる.対面コミュニケーションは「相互予測性」を特徴としており,これにより生成される行動や神経活動の同期現象から,コミュニケーションの神経基盤を明らかにする試みが進行している.
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(臨床神経, 64:247−251, 2024)
key words:社会脳,hyperscanning fMRI,模倣,共同注意,社会的随伴性

(受付日:2023年11月1日)