臨床神経学

総説

パーキンソン病の痛みの特徴と治療

関 守信1), 栗原 可南子2), 今野 卓哉3), 藤岡 伸助2), 坪井 義夫2)*

Corresponding author: 福岡大学医学部脳神経内科〔〒814-0180 福岡市城南区七隈7-45-1〕
1) 慶應義塾大学医学部神経内科
2) 福岡大学医学部脳神経内科
3) 新潟大学脳研究所脳神経内科

パーキンソン病(Parkinson's disease,以下PDと略記)患者の痛みは代表的な非運動症状である.痛みは病期を問わずPD患者を悩ます症状の上位に位置付けられており,他の症状や生活の質に影響を及ぼす一方で,適切に評価,治療されていないことも多い.PD患者が訴える痛みは,PDの疾患と関連する痛みと関連しない痛みがあり,また,原因となる障害部位に応じて中枢性と末梢性に分けられるなど非常に多彩である.痛みの診療の際にはKing's PD pain scaleなどのPD特異的な評価尺度を用いて痛みの種類や程度を評価し,病態に応じてエビデンスに基づいた治療方法を検討することが重要である.
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(臨床神経, 62:763−772, 2022)
key words:パーキンソン病,痛み,病態,分類,治療

(受付日:2021年12月22日)