臨床神経学

症例報告

神経生検の所見を参考に免疫療法を強化したGuillain-Barré症候群類似の好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の1例

上田 凌大1)* ,今井 啓輔1),山本 敦史1),猪奥 徹也1),角谷 昌俊2),濱中 正嗣3)

Corresponding author:京都第一赤十字病院脳神経・脳卒中科〔〒605-0981 京都市東山区本町15-749〕
1) 京都第一赤十字病院脳神経・脳卒中科
2) 京都第一赤十字病院リウマチ内科
3) 京都第二赤十字病院脳神経内科

症例は57歳男性.1型糖尿病と気管支喘息,副鼻腔炎の既往あり.上気道炎罹患後,急速進行性の手袋靴下型の感覚障害と左右非対称性の運動障害を生じた.血液検査で好酸球増多,神経伝導検査で多発性単神経障害をみとめた.好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis,以下EGPAと略記)とGuillain-Barré症候群(Guillain-Barré syndrome,以下GBSと略記)を疑い,免疫グロブリン大量静注療法とステロイドパルスを実施するも奏効せず,腓腹神経生検による血管炎の病理診断後にシクロホスファミドパルス療法を追加すると,症状は改善し血中の好酸球数も正常化した.GBS様の急性経過をとるEGPAでは早期の神経生検による診断と適切な免疫療法の選択が重要である.
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(臨床神経, 61:624−629, 2021)
key words:好酸球性多発血管炎性肉芽腫症,Guillain-Barré症候群,神経生検,免疫グロブリン大量静注療法,シクロホスファミドパルス療法

(受付日:2021年2月9日)