臨床神経学

症例報告

脊髄,脳に多発血管障害を呈した中枢神経原発リンパ腫様肉芽腫症の1例

川瀬 崇広1),竹内 有子1)2)* ,落合 淳1),佐竹 立成3)

Corresponding author:名古屋掖済会病院脳神経内科〔〒454-8502 愛知県名古屋市中川区松年町4丁目66〕
1) 名古屋掖済会病院脳神経内科
2) 増子記念病院脳神経内科
3) 名古屋掖済会病院病理診断科

症例は71歳男性.腰痛,両下肢脱力にて入院した.発熱,項部硬直あり,髄液は鮮血様であった.脊髄MRIで脊髄髄内出血,脊髄硬膜外出血を認めた.両側大脳に多発微小出血,新規脳梗塞が短期間に出現した.脳生検を施行し,中枢神経原発リンパ腫様肉芽腫症(lymphomatoid granulomatosis,以下LYGと略記)(grade 2)と診断した.LYGにおけるリンパ球の血管壁への浸潤が,多発した血管障害の原因と考えた.中枢神経原発LYGは,腫瘤様病変を呈することが多いが,本症例では,画像的に腫瘤は認めず,血管障害が主体であった.腫瘤病変がなくとも,脳生検することが診断に有用な可能性がある.
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(臨床神経, 61:618−623, 2021)
key words:リンパ腫様肉芽腫症,脊髄出血,脳血管障害,中枢神経原発,脊髄硬膜外血腫

(受付日:2021年2月5日)