臨床神経学

原著

筋強直性ジストロフィー1型の遺伝学的診療に関する臨床遺伝専門医対象調査

松村 剛1)* ,秋澤 叔香2),石垣 景子3),高橋 正紀4)

Corresponding author:国立病院機構大阪刀根山医療センター脳神経内科〔〒560-8552 大阪府豊中市刀根山5-1-1〕
1) 国立病院機構大阪刀根山医療センター脳神経内科
2) 東京女子医科大学産科婦人科
3) 東京女子医科大学小児科
4) 大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻機能診断学講座

筋強直性ジストロフィー1型の遺伝学的診療について,臨床遺伝専門医を対象に調査を行った.患者自身の課題への対応は,診療科による違いや中枢神経障害の影響が見られた.出生前診断(prenatal diagnosis,以下PNDと略記)・着床前診断(preimplantation genetic testing,以下PGTと略記)については,男性も対象,男性のPNDに対応している,PGTの基準を緩めるべきとの回答が予想より多かった.このため,全国遺伝子医療部門参加施設に実施状況を調査した.男性患者でPND・PGTを実施した施設は無かったが,PGT申請中が1施設あった.生殖医療の社会的コンセンサスは,技術進歩や時代背景の影響を受ける.優生思想を排除した上で,当事者を含む多分野が参加した協議によるコンセンサス形成が重要である.
Supplementary data
Survey on genetic diagnosis of myotonic dystrophy type 1
Survey on prenatal diagnosis and preimplantation genetic diagnosis of dystrophia myotonica type 1 (DM1)
Profile of myotonic dystrophy type 1 experience in each specialty of respondents
Surveyed institutes

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(臨床神経, 61:602−612, 2021)
key words:筋強直性ジストロフィー1型,遺伝学的診療,臨床遺伝専門医,出生前診断,着床前診断

(受付日:2021年2月16日)