臨床神経学

短報

皮膚所見を欠いた抗nuclear matrix protein(NXP)-2抗体陽性皮膚筋炎の1例

竹内 恵里子1)2), 廣澤 太輔1), 沖山 奈緒子3), 井上 道雄4), 西野 一三4), 須貝 文宣1)*

Corresponding author: 国家公務員共済組合連合会大手前病院脳神経内科〔〒540-0008 大阪府大阪市中央区大手前1-5-34〕
1) 国家公務員共済組合連合会大手前病院脳神経内科
2) 現:大阪大学医学部附属病院神経内科・脳卒中科
3) 筑波大学医学医療系皮膚科
4) 国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第一部

47歳女性.1か月半で四肢の筋痛,筋力低下,嚥下障害が進行し,MRIで四肢近位筋・体幹筋に炎症を示唆する異常信号域を認めたが,入院時に皮膚所見はみられなかった.左上腕二頭筋の筋生検では筋束周囲性萎縮(perifascicular atrophy)の所見はなかったが,筋線維でのmyxovirus resistance protein A発現と血清抗nuclear matrix protein(NXP)-2抗体陽性から皮膚筋炎(dermatomyositis,以下DMと略記)と確定診断した.副腎皮質ステロイド,免疫抑制剤,免疫グロブリン療法で症状は徐々に改善した.皮膚所見がないDMもあることを念頭に,抗NXP-2抗体を含む筋炎特異的自己抗体の測定を積極的に検討すべきと考えられる.
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(臨床神経, 61:258−261, 2021)
key words:皮疹のない皮膚筋炎,抗NXP-2抗体,myxovirus resistance protein A(MxA),筋炎特異的自己抗体

(受付日:2020年8月5日)