臨床神経学

症例報告

新規抗てんかん薬でのparadoxical effect:レベチラセタムによる発作抑制効果がU カーブを示した3例の検討

井上 岳司1), 小林 勝哉1), 宇佐美 清英2), 下竹 昭寛1), 井内 盛遠2)3), 酒井 達也4), 池田 昭夫2)* , 橋 良輔1)

Corresponding author: 京都大学大学院医学研究科てんかん・運動異常生理学講座〔〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54〕
1) 京都大学大学院医学研究科臨床神経学講座
2) 京都大学大学院医学研究科てんかん・運動異常生理学講座
3) 京都市立病院神経内科
4) 社会医療法人西陣健康会堀川病院内科

成人期難治焦点てんかんの併用療法としてレベチラセタム(LEV)を追加,paradoxical effect(PE,逆説的効果)を示した3例を経験した.62.5,250mg/日と少量で追加,250mg/日以下で漸増した.追加6か月以内750,1,000mg/日時点で発作は一旦減少(血中濃度:14.0,13.3µg/ml),その後1,000〜2,500mg/日(19.3〜35.0µg/ml)と増量,至適濃度内も追加1年以内に発作が増加した.LEVを最大効果発現時まで減量,発作は開始前以下に減少した.以上より,LEVを少量より開始漸増することでPEを示す一部の症例では抑制効果がUカーブを示す可能性を示唆した.
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(臨床神経, 61:247−252, 2021)
key words:抗てんかん薬,逆説的効果,血中濃度,焦点てんかん

(受付日:2020年10月2日)