臨床神経学

短報

スティック型嗅覚検査法にて経時的な嗅覚評価を行った非肺炎合併coronavirus disease 2019(COVID-19)の53歳男性例

浅原 有揮1)*, 向井 泰司1), 須田 真千子1), 鈴木 正彦1)

Corresponding author: 東京慈恵会医科大学葛飾医療センター脳神経内科〔〒125-8506 東京都葛飾区青戸6-41-2〕
1)東京慈恵会医科大学葛飾医療センター脳神経内科

症例は53歳男性で,嗅覚消失を認めた後PCR検査でcoronavirus disease 2019(COVID-19)と診断され当科に入院した.発熱なく呼吸症状は咽頭痛のみでCTで肺炎像を認めなかった.入院時,the odor stick identification test for Japanese(OSIT-J)で1点と低下を認めたが,入院16日目に11点まで改善.呼吸症状悪化なく退院した.COVID-19は嗅覚障害以外の症状を呈さない場合があり,嗅覚検査が診断の契機となりうる.OSIT-Jは,本例において初期の点数低下と回復過程を確認し得たことから,診断の一助となる可能性が考えられた.
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(臨床神経, 61:140−143, 2021)
key words:COVID-19,嗅覚消失,嗅覚検査

(受付日:2020年7月15日)