臨床神経学

原著

急性期脳卒中診療におけるプレホスピタルの現状と課題

黒田 健仁1), 藤原 悟1)*, 尾原 信行1), 村上 泰隆1), 今村 博敏2), 坂谷 朋子3), 有吉 孝一3), 坂井 信幸2), 川本 未知1), 幸原 伸夫1)

Corresponding author: 神戸市立医療センター中央市民病院脳神経内科〔〒650-0047 兵庫県神戸市中央区港島南町2-1-1〕
1)神戸市立医療センター中央市民病院脳神経内科
2)神戸市立医療センター中央市民病院脳神経外科
3)神戸市立医療センター中央市民病院救命救急センター

2016年5月から2019年3月までの期間に当院に救急搬送された症例について救急隊のトリアージと最終診断の相違を検証した.脳卒中疑いで搬送された症例の約30%は脳卒中以外の多様な疾患だった.また脳卒中を疑われずに搬送された症例の一部は,機械的血栓回収療法を施行した脳主幹動脈閉塞症例であり,脳卒中疑いで搬送された症例に比べて来院から治療までの時間が有意に長かった.脳卒中以外の多様な疾患も幅広く受け入れること,麻痺や皮質症状など治療が必要な脳梗塞を疑う症状の重要性を救急隊に啓発し,継続的なフィードバックを行うことがより良いプレホスピタルの実現に必要と考えられた.
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(臨床神経, 61:103−108, 2021)
key words:脳卒中,プレホスピタル,stroke mimics

(受付日:2020年5月28日)