臨床神経学

原著

本邦での脳卒中後てんかんの診療実態に関する多施設アンケート調査結果

東田 京子1), 田中 智貴1)*, 山上 宏1), 泊 晋哉2), 福間 一樹1), 奥野 善教1), 阿部 宗一郎1), 長束 一行1), 豊田 一則2), 猪原 匡史1)

Corresponding author: 国立循環器病研究センター脳神経内科〔〒565-8565 大阪府吹田市藤白台5丁目7番1号〕
1)国立循環器病研究センター脳神経内科
2)国立循環器病研究センター脳血管内科

脳卒中後てんかんの大規模研究は少なく,一定のコンセンサスが得られていない.今回,本邦での脳卒中後てんかんの診療実態を明らかにすることとした.2015年2〜5月の脳梗塞治療症例数上位500施設を対象に患者数,検査,治療について,計14問のアンケートを依頼し,189施設から回答が得られた.てんかん入院症例の39%に脳卒中既往があった.検査については頭部MRIや脳波検査はそれぞれ99,97%の施設で施行されていたが,検査陽性率は低値であった.治療については発作の再発抑制にはカルバマゼピン,バルプロ酸,レベチラセタムの順に第1選択薬とされていた.
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(臨床神経, 58:217−222, 2018)
key words:脳卒中後てんかん,てんかん発作,高齢者,抗てんかん薬,全国アンケート調査

(受付日:2017年12月4日)