臨床神経学

<シンポジウム(2)―9―1>群発頭痛の病態解明と治療

群発頭痛の病態生理に関する最近の進歩

島津 智一1)

1)埼玉精神神経センター神経内科〔〒338-8577 埼玉県さいたま市中央区本町東6-11-1〕

群発頭痛は不明な点が多く病態は明らかにされていない.これまで視床下部generator起源説,ニューロペプチド変化より三叉神経血管説,内頸動脈周囲起源説そして三叉神経過剰興奮が副交感神経活性化説などの仮説が提唱され,PET研究で発作時に視床下部の興奮が報告された.最近,群発頭痛は自律神経症状を呈することから,国際頭痛分類第2版において,「群発頭痛およびその他の三叉神経・自律神経性頭痛(TACs)」に分類された.TACsの機序として三叉神経系活動が高まり,この興奮が上唾液核に達して,翼口蓋神経節から頭蓋内の大血管や涙腺・鼻粘膜にいたる副交感神経系が興奮し自律神経症状を呈すると考えられている.
Full Text of this Article in Japanese PDF (1259K)

(臨床神経, 53:1125−1127, 2013)
key words:群発頭痛,三叉神経・自律神経性頭痛,病態生理,視床下部,ニューロペプチド

(受付日:2013年5月30日)