臨床神経学

楢林賞

パーキンソン病の遺伝子治療研究

望月 秀樹1)2)*

Corresponding author:順天堂大学脳神経内科〔〒113-8421 東京都文京区本郷2-1-1〕
1)順天堂大学脳神経内科
2)同 老人性疾患病態・治療研究センター

ついにパーキンソン病遺伝子治療の臨床治験が開始された.遺伝子治療法の主体はアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターで,それ自身の病原性や自己増殖などはみとめない.パーキンソン病に対する遺伝子治療は,現在必ずしも最良の治療とは思わないが,さらなる進歩により将来的に新たな治療手段となる可能性は否定できない.本稿では,パーキンソン病遺伝子治療の臨床研究の紹介とそれに関連するわれわれの遺伝子治療研究について概説する.
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(臨床神経, 49:9−16, 2009)
key words:パーキンソン病, 遺伝子治療, アデノ随伴ウイルスベクター, パーキン

(受付日:2008年9月8日)