学術大会概要

大会長・副大会長挨拶

大会長挨拶

髙橋 良輔

第62回日本神経学会学術大会
大会長 髙橋 良輔
京都大学大学院医学研究科臨床神経学(脳神経内科) 教授

 第62回日本神経学会学術大会を、2021年5月19日(水)から22日(土)まで、国立京都国際会館で開催させていただくことになりました。国立京都国際会館では2017年に世界神経学会議(WCN2017)が開催されましたが、その後新たにニューホールが増設されました。4年ぶりにさらに充実した設備で皆様をお迎えすることができることを嬉しく思います。

 今大会では初めて副大会長を設け、金沢大学の山田正仁教授にご就任いただきました。山田先生とご相談しながら、医師、研究者、メディカルスタッフ、学生、とどのような立場の参加者にもご満足いただけるよう、広い視野で本大会を運営していきたいと思います。

 今大会のテーマは「脳神経内科の使命:現在、過去、未来」です。「神経内科」が診療科として認可されたのが1975年、日本神経学会が診療科名を「脳神経内科」に変更する決定をしたのが2017年です。この40年あまりの間に脳神経内科は大きく発展しました。かつては患者数の少ない難病をもっぱら扱う診療科というイメージで見られがちでしたが、現在は脳卒中、認知症、てんかん、頭痛といったコモンディジーズを扱うメジャーな診療科に成長しました。それだけでなく、神経難病にも革新的治療薬や治療技術が次々と生まれ、かつてないエキサイティングな時代を迎えています。それとともに脳神経内科がより社会に貢献できる存在になるために専門医制度における基本領域化を目指すことも学会の方針となりました。いっぽう世界の仲間と連携して、脳神経内科をさらに発展させることも私たちに求められています。

 このような時とともに高まりゆく脳神経内科の使命のシンボルとして、大会ホームページおよびポスターには、嵯峨野の竹林を背景に、脳神経内科の診療・教育・研究に欠かせない道具を手にした千手観音様に登場していただきました。ちなみに千手観音のイメージは、鎌倉時代の名仏師・湛慶の手になる蓮華王院三十三間堂の中尊千手観音坐像をはじめ、いくつかの仏像を参考にデッサンを描いてもらいました。

 新緑の京都の地で、本大会を最新の知見を発表し、学び、国内外からの参加者と熱く議論する場として楽しんでいただくとともに、脳神経内科の使命について改めて考えていただく機会にしていただければ望外の喜びです。多数の皆様のご参加をお待ちしております。

髙橋 良輔

髙橋 良輔

副大会長挨拶

山田 正仁

第62回日本神経学会学術大会
副大会長 山田 正仁
金沢大学大学院医薬保健学総合研究科脳老化・神経病態学 (脳神経内科学) 教授

 京都大学の髙橋良輔教授が大会長をされる第62回日本神経学会学術大会(2021年5月19日(水)~ 22日(土)、国立京都国際会館)で副大会長を務めさせていただくことになりました。学術大会に副大会長が置かれるのは初めてのこととお聞きしておりますが、髙橋大会長を補佐し本学術大会を盛り上げていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 急速に超高齢化が進む今日、認知症や脳卒中や神経難病など、脳神経疾患の診療・ケア・研究開発の社会的ニーズは飛躍的に高まってきております。本学術大会は、脳神経内科医や将来脳神経内科をめざす医師はもとより、神経科学研究者、看護・介護等のメディカルスタッフ、学生など、脳神経疾患に関わり関心をもつ人々が集い、脳神経疾患のあらゆる面を取り上げます。最先端の学術的成果ばかりなく、最新の脳神経内科の診療や看護・介護等を学ぶ場としても一層充実させてまいります。ポスターの千手観音様がお示しになられているように、本学術大会を「ありとあらゆる手を尽くして脳神経疾患に悩む人たちを救う」という脳神経内科の使命を改めて認識し脳神経内科の未来を想い描く場にすることに貢献したいと存じます。

 2020年5月現在、私たちは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の荒波に揉まれておりますが、それを無事乗り切り、京都の地で皆様にお会いすることを楽しみにしております。多くの方々のご参加をお待ち申し上げます。

山田 正仁

山田 正仁