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学術大会概要

大会長挨拶

楠 進

第60回日本神経学会学術大会
大会長 楠 進
近畿大学医学部神経内科 教授

 第60回日本神経学会学術大会を、2019年5月22日(水)から25日(土)まで、大阪市で開催させていただくことになりました。大阪国際会議場をメーン会場として、隣接するリーガロイヤルホテルも一部使用させていただくことになります。第60回ということは、人間でいえば還暦であり、節目となる大会です。元号が平成から改まった直後の時期でもあり、記念すべき大会になると考えています。そのような大会のお世話をさせていただくことは、大変光栄なことであり、医局員一同張り切って準備をすすめているところです。
 今大会のテーマは「水の都から臨床神経学の大海原をめざして」としました。神経内科疾患を対象とする学問である臨床神経学は、脳血管障害、認知症、てんかん、頭痛などのCommon diseasesから、指定難病となっている稀少疾患まで、多彩な疾患を対象としています。そして、これらの疾患の病態が解明されるにつれて、新規治療法の開発もすすみ、まさに大航海時代を迎えているといっても過言ではありません。今大会のテーマは、水の都として有名な大阪に集い、神経疾患の大海原に向かってフロンティア精神をもって船出していくというイメージを表現したものです。
 本学会では、神経免疫学で大きな業績を上げられた英国のAngela Vincent先生にplenary lectureをお願いしました。その他にも、国内外の先生方に、semi-plenary lectureや特別講演をお願いして、各領域の最先端の内容を御紹介いただきます。年次学術委員会の先生方を中心に計画する多数のシンポジウムは、臨床神経学の幅広い分野をカバーするものとなります。また特別企画として「近大マグロ」の開発の歴史についてもご紹介いただく予定です。
 教育プログラムとしては、従来からの生涯教育セミナー、専門医育成セミナーに加えて、第57回大会からはじまった教育コースも継続して、会員だけでなく、研修医、医学生、メディカルスタッフも対象とした企画を準備しています。若手医師に「common diseaseから難病まで」という臨床神経学の幅広さや醍醐味を理解してもらえるような教育プログラムを用意したいと思います。
 近年本学会は国際化につとめてきました。2017年に京都で開催されたWCN2017では多くの海外からの参加者をむかえることができました。本学会でもアジアを中心として、海外からの多数の一般演題を歓迎したいと思います。
 大阪は、古くから経済の中心であるとともに、文化の中心でもありました。そのオリジナリティーの高さや奥深さは際立っており、文学、芸能、食文化など、全国によく知られています。またアジアとのつながりも深いものがあります。昭和50年以来久しぶりに大阪で開催される本学術大会に、国内外から多数の先生方に御参加いただき、大阪の魅力を満喫していただければ大変嬉しく思います。