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編集後記より
本年5月より13期編集委員体制になり,編集副委員長を拝命致しました.三澤編集委員長ならびに編集幹事・編集委員の先生方と共に,臨床神経学のさらなる充実に向けて頑張りたいと思います.是非とも骨のあるご投稿をお待ちしております.
さて今回は私が勝手に「X年問題」と名付けている問題についてです.論文を多く拝見するようになり,時折気になっているのは「X年」という記載です.よくあるパターンが以下の通りです.「74歳女性.X-5年○○を自覚.X-3年○となり他院受診.紹介されて今回精査加療目的に入院.○○の治療を行い,X+1年に再入院して治療を追加し,X+3年まで症状安定している.」
もちろん空気を読めば,症例報告を書かれている先生はお若い先生が多いでしょうし,初回入院の時に担当された先生である可能性が高いでしょう.とすると,初回入院時X年=74歳であろうと想像されます.しかしながら,二回目の入院をご担当された先生が論文を書かれているのかもしれません(X+1年=74歳).外来で診療している先生が書かれていてX+3年=74歳かもしれません.実はほとんどの場合論文中に何歳がX年かが明記されていないのです.
英語論文でもX年Y月,とは記載されません.例えば新型コロナウイルスが流行りだして第○波,というような,後方視的に特定の年号が重要である場合を除いては,やはり論文としては年号を書かず,「○歳時」「初回入院3年前」などと誰が見ても客観的な記載をするべきでしょう.
なぜ日本語論文でだけ「X年」を見るのでしょうか.学会などに提出するサマリーは,診療「記録」なので年月日を記載する必要がありつつ,個人情報保護の名の下で中途半端にぼかす必要があり,「X年」とすることがあります.サマリーを転記した,院内の簡単なプレゼンなどではそのように済ますこともあるかもしれません.しかしながら,診療した記録を確認するためのサマリーと,学術論文とは似て非なるものです.本来医師としては世界で通用する論文を書けるようになることが目標であって,ローカルルールに染まらないようにしなくてはいけません.
まとめますと,「X年」は空気を読みながら本文を読まない限りは意味をなさず,あいまい性が残ることが多いという意味で科学的に疑問が残り,また好みの問題ではありますが日本語として美しいわけでもないように思われます.「X年」派の皆さん,そろそろ使うのをやめませんか?
(石浦 浩之)
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