臨床神経学

症例報告

顕著な足部チアノーゼを呈したMME遺伝子変異にともなうCharcot-Marrie-Tooth病の1例

山城 正喬1)*, 大成 圭子1), 樋口 雄二郎2), 橋口 昭大2), 嶋 博2), 岡田 和将1)

Corresponding author: 産業医科大学脳神経内科〔〒807-8556 北九州市八幡西区医生ヶ丘1番1号〕
1) 産業医科大学脳神経内科
2) 鹿児島大学脳神経内科

症例は生来健康な44歳男性.両親にいとこ婚あり.42歳頃から両足指の脱力が出現し,同時期から両足部のチアノーゼを自覚.その後,症状進行し44歳時には走れなくなった.両足部に顕著なチアノーゼと下肢遠位筋脱力とアキレス腱反射の消失を認め,神経伝導検査で軸索型多発ニューロパチーを認めた.網羅的遺伝子検査によりmembrane metalloendopeptidase(MME)遺伝子変異を伴うautosomal-recessive Charcot-Marie-Tooth disease 2Tと診断した.本例の足部チアノーゼは高度であり背景病態にMME遺伝子変異との関連が推測された.
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(臨床神経, 63:743−747, 2023)
key words:MME遺伝子変異,Charcot-Marrie-Tooth 病,チアノーゼ,ネプリライシン

(受付日:2023年4月6日)