臨床神経学

短報

頭痛と左下肢筋力低下で発症し,くも膜下出血との鑑別を要した髄膜癌腫症の67歳女性例

大久保 芳彦1)*, 上田 優樹1), 田口 丈士1), 加藤 陽久1), 赫 寛雄1), 相澤 仁志1)

Corresponding author: 東京医科大学神経内科学分野〔〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-7-1〕
1)東京医科大学神経内科学分野

症例は67歳女性である.急性発症の激しい頭痛と左下肢筋力低下を主訴に前医を受診し,頭部MRI・FLAIR画像で右頭頂葉のくも膜下腔に高信号域を認め,くも膜下出血を疑い同日緊急入院となった.脳血管造影で動脈瘤や異常血管を認めず,髄液検査で単核球優位の細胞増加を認めたため髄膜炎が疑われ当院へ転院となった.転院後の髄液検体から異型細胞(Class V)が検出され,上部消化管内視鏡検査にて組織生検で印環細胞癌を認めたことから髄膜癌腫症と診断した.急性発症の頭痛をきたし頭部MRI・FLAIR画像でくも膜下腔に高信号病変を認めた場合,髄膜癌腫症も考慮する必要があると考えられた.
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(臨床神経, 58:403−406, 2018)
key words:髄膜癌腫症,くも膜下出血,FLAIR画像

(受付日:2018年9月25日)