臨床神経学

症例報告

メフロキン,ミルタザピン,リスペリドンにより長期的に良好な経過をとった宿主免疫応答の示唆される進行性多巣性白質脳症の2症例

赤川 優美1)*, 上野 晃弘1), 池田 淳司1), 石井 亘2), 宍戸-原 由紀子3), 関島 良樹1)4)

Corresponding author: 信州大学医学部脳神経内科,リウマチ・膠原病内科〔〒390-8621 長野県松本市旭3-1-1〕
1)信州大学医学部脳神経内科,リウマチ・膠原病内科
2)長野赤十字病院膠原病リウマチ内科
3)東京医科大学人体病理学分野
4)信州大学バイオメディカル研究所

症例1は59歳女性.特発性好酸球増多症に対しプレドニゾロンを内服中.脳MRI病変に軽度の造影効果が認められ,炎症の存在が示唆された.症例2は30歳女性.全身性エリテマトーデスに対し免疫治療中.脳生検が実施され,CD4およびCD8陽性細胞の均衡がとれたリンパ球浸潤を認めた.両症例とも神経症状発症早期に進行性多巣性白質脳症(progressive multifocal leukoencephalopathy; PML)と診断し,メフロキン,ミルタザピン,リスペリドンによる治療を行った.症例1は発症から24ヶ月,症例2は45ヶ月経過しているが,症状改善し生存している.PMLの予後は不良とされているが,JCウイルスに対する制御された免疫応答を有する症例では薬物治療が有効である可能性がある.
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(臨床神経, 58:324−331, 2018)
key words:進行性多巣性白質脳症,JCウイルス,メフロキン,ミルタザピン,リスペリドン

(受付日:2018年3月9日)