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神経内科の主な病気

糖尿病性ニューロパチー

 糖尿病ではいろいろな合併症がおこりますが、最も代表的なものとしてニューロパチーがあります。糖尿病性ニューロパチーは足先のしびれや痛みなどの症状ではじまることが多く、時間が経つにしたがって徐々に上のほうに広がっていきます。感覚の障害は通常、「手袋靴下型」といわれる左右対称の分布になりますが、手の症状は進行した場合にのみ現れることが多いです。糖尿病では感覚障害に加えて、食欲不振、吐き気、腹部不快感、便秘、めまい、立ちくらみなどの自律神経症状も高頻度に出現します。糖尿病性ニューロパチーは適切な血糖値のコントロールによって発症や進行を抑えることができます。

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栄養欠乏性ニューロパチー

 ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ニコチン酸、ビタミンEなどの欠乏でニューロパチーが起こることが知られています。代表的なものとしてビタミンB1欠乏によるニューロパチー、いわゆる脚気があり、江戸時代から白米中心の食生活と関係して発症していたことがわかっています。栄養状態の改善によって患者数は減りましたが、現在でも炭水化物や糖分を多く摂取し副食を十分摂らない偏食などによる発症者がみられ、忘れてはならない病気です。
 ビタミンB1欠乏によるニューロパチーは手足のしびれと力の入りにくさではじまり、急速に進行して数日間のうちに歩けなくなる場合もありますので、疑った場合はなるべく早くビタミン剤で治療する必要があります。

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アルコール性ニューロパチー

 多量の飲酒を長期間つづけた場合、吸収不良や偏食によってビタミンB1などの栄養欠乏が起こります。さらにアルコールまたはその代謝産物も神経に直接悪影響を及ぼすと考えられ、このような原因でおこるニューロパチーは足先の痛みが主な症状になります。このことからアルコール依存症の患者さんではビタミンの摂取だけでなく、断酒もニューロパチーの治療として重要です。

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シャルコー・マリー・トゥース病(Charcot-Marie-Tooth disease; CMT)

 CMTは最も頻度の高い遺伝性ニューロパチーであり、現在までに60以上の原因遺伝子が明らかになっています。手先と足先の動かしにくさ、やせ(筋萎縮)、感覚低下が主な症状です。幼少期に発症する場合が多いですが、60歳以上の高齢になってから初めて病院に受診する患者さんもいます。診断は採血による遺伝学的検査によって行われますが、原因となる遺伝子変異を明らかにできない場合もあります。
 治療は装具の装着やリハビリテーション、足の変形に対する外科的治療、痛みに対する薬物治療などが中心となります。

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家族性アミロイドポリニューロパチー(familial amyloid polyneuropathy; FAP)

 アミロイドーシスとは、線維状の蛋白質であるアミロイドが全身の様々な臓器に沈着する病気の総称です。アミロイドーシスの原因は数多くありますが、脳にアミロイドが沈着して認知症をおこすアルツハイマー病もその一つです。アミロイドの沈着を防ぐことのできる根治療法が存在しない病気が多かったのですが、最近ではいくつかの病気で新しい治療法が開発され、実用化されています。FAPはトランスサイレチンという肝臓で作られる蛋白質の遺伝子変異によって、トランスサイレチンがアミロイドとして全身に沈着してニューロパチーなどの臓器障害をおこす病気です。
 この病気では肝移植が唯一の治療法でしたが、現在ではアミロイドの沈着を抑える内服薬も使えるようになっています。手足のしびれや下痢?便秘などの症状が早期から起こりやすく、進行すると歩くことも難しくなって生命に関わる病気ですので、なるべく早い時期に診断して治療を始めることが重要です。

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