新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応について
- Q1:
- 神経疾患患者さんが,新型コロナウイルスに関して気をつけることはありますか?
- A1:
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まずは,アルコール手指消毒剤による手指消毒や石けんによる手洗いを行ってください。咳などの症状がある方は,咳やくしゃみの飛沫が飛ばないように,マスクやハンカチを用いて咳エチケットを行ってください。また,持病がある方などは,上記に加えて,公共交通機関や人混みの多い場所を避けるなど,より一層注意してください。
重症化リスク:①高齢者,②糖尿病,心不全,呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など)の基礎疾患がある方や透析受けている方,③免疫抑制薬や抗がん薬などを用いている方,④妊娠中の方は,新型コロナウイルスに感染した場合,重症化のリスクが高くなると考えられていますので,上記の注意点を確認してください。 - Q2:
- 感染が疑われる場合,どこの医療機関に行けば検査,診療をしてもらえますか?
- A2:
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一般的には,風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く場合,強いだるさ(倦怠感),息苦しさ(呼吸困難)がある場合に,最寄りの保健所などに設置される「帰国者・接触者相談センター」にお問い合わせいただくことになっています。上記の重症化リスクのある方で,これらの症状が2日程度続く場合は,「帰国者・接触者相談センター」に相談してください。
また,免疫性神経疾患(重症筋無力症,多発性硬化症,視神経脊髄炎,慢性炎症性脱髄性多発神経炎など)の方には,ステロイド薬や免疫抑制薬を服用している方も多く,この場合は免疫抑制薬を用いている方に相当しますので,症状が2日程度続く場合は,「帰国者・接触者相談センター」に相談してください。 - Q3:
- 神経疾患患者さんで新型コロナウイルス感染症への罹患が疑われる場合,診療で留意する点はありますか?
- A3:
- 重症化リスクを考慮して対応する必要があります。免疫性神経疾患におけるステロイド薬や免疫抑制薬の使用は重症化リスクの一つと考えられていますので,これらの薬剤が使用されている場合は,当初の症状が軽微であっても肺炎への進行や重症化が起こる可能性を念頭に起き,診療にあたるのが望ましいとされています。
日本神経学会