メドトロニックMRI検査について
この度平成27年4月6日付にて、日本メドトロニック社が販売するDBS装置の一部(*下記二機種)が、条件付ながら全身MRI対応として薬事承認を受けました。従来、DBS植込み患者でのMRI撮像は禁忌であり診療上の大きな制約となっておりましたので、条件付ながらも全身のMRI検査が可能となった事は大きな進歩であると思われます。
しかしながら、該当機種であればどのような状況でもMRI撮像が可能となったという訳ではなく、植込みの状態や電極の接続状況、検査条件など、一定の条件が満たされた場合のみ実施が可能となったものであることに注意が必要です。例えば撮影可能なMRI機器は静磁場が1.5Tの機種のみであり、また撮影条件にも制限があります。こうした注意点が曖昧なままに検査を施行しようとすると、重篤な合併症が生じる可能性が否定出来ないため事前の安全性チェックに長時間を要し、最終的に検査を施行できない可能性もあります。
従って事故なく円滑にMRI撮像を施行するためには、検査を実施する放射線技師などの担当者だけではなく、DBS植込み患者の診療に携わる医師や検査を依頼する医師もこれらの条件をよく理解し、事前に十分な情報交換を行った上でMRI検査を施行する事が重要です。
以上より会員の先生方におかれましては、製造販売元である日本メドトロニック社が提供するE-learning(www.mri-surescan.com)を受講し、各種条件等について充分にご理解を頂き、かつ各施設のMRI機器についても撮影条件を満たすことをご確認の上、MRI検査の依頼を頂く様お願い致します。
なお、現在国内で販売されているDBS装置には他メーカーのものもあり、その場合のMRI対応状況は全く異なりますのでご注意下さい。
不明の点は下記、日本メドトロニック社にお問い合わせ下さい。
- 連絡先:
-
日本メドトロニック株式会社ニューロモデュレーション事業部
メールアドレス:rs.japan-nro-surescan@medtronic.com
Tel: 03-6430-2016
Fax:03-6430-7110
*対象刺激装置:「アクティバSC(37603型)」及び「アクティバRC(37612型)」
日本神経学会診療向上委員会