臨床神経学

短報

カンピロバクター腸炎後の感覚型Guillain-Barré syndromeが疑われた1例

板村 真司1)*, 出雲 大幹1), 小野 浩明1)

Corresponding author: 県立広島病院小児科〔〒734-8530 広島県広島市南区宇品神田1丁目5-54〕
1) 県立広島病院小児科

症例は9歳女児.カンピロバクター腸炎発症7日後から激しい両側足底痛を生じて入院した.入院時,四肢筋力は保たれ,深部腱反射正常だが,足底痛のため歩行困難であった.運動神経伝導検査異常なし.脳脊髄液蛋白細胞解離なし.腰椎MRIで第4,5腰椎の神経根造影効果あり.足底痛にはガバペンチンが奏効し退院した.入院時血清から複数の抗ガングリオシド抗体が検出された.発症から半年経過して症状消失しており,感覚型Guillain-Barré syndrome(GBS)が疑われた.カンピロバクター腸炎後のGBSは急性運動軸索型ニューロパチーと認識されており貴重な症例と考えられた.
Supplementary data
Enzyme linked immunosorbent assay (ELISA) results
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(臨床神経, 62:301−304, 2022)
key words:Guillain-Barré syndrome,カンピロバクター,感覚型

(受付日:2021年9月14日)