臨床神経学

症例報告

発症1年後の抗横紋筋抗体を追跡し得た免疫チェックポイント阻害薬に関連した筋炎合併重症筋無力症の1例

杉山 幸生1)* ,江左 佳樹1),渡邊 彰弘1),小林 潤也1),鈴木 重明2),高橋 大介1)

Corresponding author:独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター脳血管内科〔〒586-8521 大阪府河内長野市木戸東町2-1〕
1) 独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター脳血管内科
2) 慶應義塾大学医学部神経内科

症例は78歳男性.腎細胞癌術後肝転移,リンパ節転移に対し,ニボルマブとイピリムマブの投与を受けた後から,複視,眼瞼下垂,嚥下障害,四肢・頸部の筋力低下,易疲労性を自覚するようになった.著明な高creatine kinase(CK)血症を認め,頸部MRIで深背筋に炎症性変化を認めた.またエドロフォニウム試験が陽性であった.免疫チェックポイント阻害薬に関連する重症筋無力症や筋炎で検出される抗横紋筋抗体の抗titin抗体と抗Kv1.4抗体が陽性であった.ステロイド治療と単純血漿交換を行い,症状は軽減,CK値は正常化した.発症1年後の抗titin抗体,抗Kv1.4抗体は,いずれも抗体価は低下していたが依然として陽性であった.
Full Text of this Article in Japanese PDF (931K)

(臨床神経, 61:630−634, 2021)
key words:免疫チェックポイント阻害薬,免疫関連有害事象,重症筋無力症,筋炎,抗横紋筋抗体

(受付日:2021年2月12日)