臨床神経学

症例報告

伝導ブロックを呈したANCA陰性好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の74歳女性例

本田 真也1),竹下 幸男1),古賀 道明1),佐藤 亮太1),尾本 雅俊1),神田 隆1)*

Corresponding author:山口大学大学院医学系研究科臨床神経学〔〒755-8505 山口県宇部市南小串1-1-1〕
1) 山口大学大学院医学系研究科臨床神経学

74歳女性.急速進行性の多発性単神経障害をきたして入院した.気管支喘息の既往,発熱,好酸球数の著明な上昇があり,生検腓腹神経内に多数の好酸球浸潤をきたしていたことから好酸球性多発血管炎性肉芽腫症と診断した.入院時の末梢神経伝導検査で伝導ブロックがみられ,治療開始後に速やかに消失した.ワーラー変性の過程でみられる偽伝導ブロックとは異なる経過を示し,一過性の伝導障害をきたした可能性が考えられた.腓腹神経病理では好酸球の著明な浸潤と脱顆粒がみられ,神経束内に好酸球塩基性蛋白が存在することが確認できた.好酸球の神経束内浸潤が一過性の伝導障害の主病態であると想定された.
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(臨床神経, 61:613−617, 2021)
key words:好酸球性多発血管炎性肉芽腫症,ANCA陰性,好酸球塩基性蛋白,伝導ブロック

(受付日:2020年11月2日)