臨床神経学

短報

自己免疫性glial fibrillary acidic protein(GFAP)アストロサイトパチーの1例

足立 洋1)* , 塩見 悠真1), 木村 暁夫2), 下畑 享良2), 米田 行宏1), 影山 恭史1)

Corresponding author:兵庫県立尼崎病院総合医療センター脳神経内科〔〒660-8550 兵庫県尼崎市東難波町2-17-77〕
1) 兵庫県立尼崎総合医療センター脳神経内科
2) 岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野

症例は46歳男性.急性に意識混濁,頭痛,発熱,尿閉,吃逆,ミオクローヌス様不随意運動が出現した.髄液の細胞数増多(111個/μl)があり,頭部MRIのFLAIR像で両側基底核から放線冠にかけて線状の多発性の高信号域を認め,経過中に脳幹部にもT2像で高信号域の病巣を認めた.ステロイドの点滴パルス療法と経口剤に反応して第31病日に後遺症なく退院した.髄液の抗glial fibrillary acidic protein(GFAP)α抗体陽性が判明し,自己免疫性GFAPアストロサイトパチーと診断した.抗アクアポリン4 抗体,抗myelin oligodendrocyte glycoprotein抗体,抗N-methyl-D-aspartic acid受容体抗体は,いずれも陰性だった.発症6か月まで再燃していない.この新しい病態は免疫介在性の髄膜脳炎として重要である.
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(臨床神経, 61:401−404, 2021)
key words:glial fibrillary acidic protein(GFAP),髄膜脳炎,自己免疫性,アストロサイトパチー,吃逆

(受付日:2020年12月18日)