臨床神経学

短報

Diphasic dyskinesia,すくみ足に対するレボドパ・カルビドパ経腸用液療法の至適用量:症例報告と文献的考察

岡島 幹篤1), 藤岡 伸助1), 籠田 早織1), 西田 明弘1), 三嶋 崇靖1), 坪井 義夫1)*

Corresponding author:福岡大学医学部脳神経内科〔〒814-0180 福岡県福岡市城南区七隈7-45-1〕
1) 福岡大学医学部脳神経内科

症例は58歳男性.46歳時にパーキンソン病と診断され,53歳よりwearing off,さらにdyskinesiaが出現した.経口薬による運動合併症の管理が困難となり,57歳にレボドパ・カルビドパ経腸用液療法(levodopa-carbidopa intestinal gel,以下LCIGと略記)が導入された.術後はwearing offの著明な軽快を認めたが,dyskinesiaとすくみ足が増悪した.術前からdiphasic dyskinesiaの性質を有していたためドパミン療法を強化したが,dyskinesiaはより激烈になり,すくみ足も増悪した.その後内服薬を漸減し,初期投与量を下回った時点で両症状は軽減した.本患者の特徴はLCIG治療下においてdiphasic dyskinesia,すくみ足が治療強化により共に増悪した点であり,両症状の治療域設定における経験として貴重な示唆を与えた.
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(臨床神経, 61:398−400, 2021)
key words:パーキンソン病,レボドパ・カルビドパ経腸用液療法,wearing off,dyskinesia,すくみ足

(受付日:2020年9月5日)