臨床神経学

症例報告

発作時カタトニア(ictal catatonia)の1例:てんかん重積の稀な表現型

真田 悠希1), 梶川 駿介1), 小林 勝哉1), 葛谷 聡1), 松本 理器3), 池田 昭夫2)* , 橋 良輔1)

Corresponding author: 京都大学大学院医学研究科てんかん・運動異常生理学講座〔〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54〕
1) 京都大学医学部附属病院脳神経内科
2) 京都大学大学院医学研究科てんかん・運動異常生理学講座
3) 神戸大学大学院医学研究科・内科学講座脳神経内科学分野

66歳右利き女性.発作性の意識減損及び姿勢保持した状態での動作停止を反復し当院受診した.来院時は5〜20分持続する昏迷,蝋屈症,カタレプシー等のカタトニア症状を反復していた.脳MRIでは異常を認めず,脳波で左前頭中心部起始の発作時脳波変化を示し,カタトニア症状を呈した非けいれん性てんかん重積(non-convulsive status epilepticus,以下NCSEと略記)と診断した.カタトニア症状改善後のFDG-PETでは両側前頭葉・頭頂葉に遷延性の代謝亢進を認めた.抗てんかん薬による治療で症状は消失した.カタトニア症状の原因としてNCSEを念頭におく必要がある.
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(臨床神経, 61:385−391, 2021)
key words:非けいれん性てんかん重積,18F-FDG-PET,発作時カタトニア,カタトニア症候群

(受付日:2020年10月20日)