臨床神経学

症例報告

パーキンソン病の経過中に筋力低下と首下がりを呈し筋萎縮性側索硬化症を合併した1剖検例

小田 真司1)*, 佐野 輝典2), 西川 典子1), 三笠 道太3), 橋 祐二1), 尾 昌樹2)

Corresponding author: 国立精神・神経医療研究センター病院脳神経内科〔〒187-8551 東京都小平市小川東町4-1-1〕
1) 国立精神・神経医療研究センター病院脳神経内科
2) 国立精神・神経医療研究センター病院臨床検査部
3) 東京都立広尾病院脳神経内科

症例は64歳女性.52歳時に発症したパーキンソン病の経過中,62歳時に右上肢筋力低下,63歳時に首下がりが出現した.いずれもパーキンソン病に伴う症状と解釈されL-DOPAを200mg/日から900mg/日まで増量されたが改善せず,64歳で筋萎縮性側索硬化症の併発と診断された.患者は緩和的治療を望まれ,その後呼吸不全と低栄養で死亡した.多系統に渡る症状を診た際は,複数病態の併存の可能性も念頭におくべきである.
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(臨床神経, 61:373−377, 2021)
key words:筋萎縮性側索硬化症,パーキンソン病,Brait-Fahn-Schwartz disease,首下がり,ウェアリング・オフ現象

(受付日:2020年9月17日)