臨床神経学

原著

筋萎縮性側索硬化症における新たな緩和ケアスケールの提唱と苦痛症状の解析

清水 俊夫1)2)*, 清水 尚子2)3), 小野崎 香苗2)3), 新井 玉南2)3), 木村 英紀1)2), 森島 亮1)2), 木田 耕太1)2), 早乙女 貴子2)4), 佐藤 新2)5), 中山 優季6), 高橋 一司1)

Corresponding author: 東京都立神経病院脳神経内科〔〒183-0042 東京都府中市武蔵台2-6-1〕
1) 東京都立神経病院脳神経内科
2) 東京都立神経病院緩和ケアチーム
3) 東京都立神経病院看護科
4) 東京都立神経病院リハビリテーション科
5) 東京都立神経病院神経精神科
6) 東京都医学総合研究所難病ケア看護ユニット

筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis,以下ALSと略記)患者の終末期の苦痛を評価するため,新たなALS緩和ケアスケールを提唱した.ALS患者31例に対し,13の自覚症状をスコア化した(0〜5点).各スコアの平均は,呼吸苦2.5,疼痛2.4,身の置き所のなさ2.4,口渇3.0,灼熱感2.0,むせ・痰がらみ2.0,嘔気0.4,便秘1.5,不眠2.5,不安3.5,寂しさ2.4,いらいら感2.1,思いの伝わらなさ2.3であった.主成分分析では第1主成分負荷量が>0.7を示したものは呼吸苦,身の置き所のなさ,口渇,不安,寂しさ,いらいら感であり,ALSに特徴的であると考えられた.本スケールによる緩和ケアの有効性の検証が期待される.
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(臨床神経, 61:361−367, 2021)
key words:筋萎縮性側索硬化症,終末期ケア,緩和ケアスケール,苦痛症状,呼吸苦

(受付日:2020年12月9日)