臨床神経学

短報

脊髄性筋萎縮症様の臨床症状を呈したMORC2 S87L変異によるCharcot-Marie-Tooth病2Z型の1例

山本 大輔1)* , 小田 亮介1), 久原 真1), 石川 亜貴2), 荻 朋男3), 下濱 俊1)

Corresponding author: 札幌医科大学脳神経内科〔〒060-8543 札幌市中央区南1条西16丁目〕
1) 札幌医科大学脳神経内科
2) 札幌医科大学医学部遺伝医学
3) 名古屋大学環境医学研究所発生遺伝分野

家族歴がない33歳男性.小児期からの四肢筋力低下,関節拘縮,骨格変形を認め,脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy,以下SMAと略記)と診断され,介助や補助具を使用して生活していた.自覚的にも,身体診察上も感覚障害が軽微だったが,末梢神経伝導検査(nerve conduction study,以下NCSと略記)は軸索障害型運動感覚ニューロパチーの所見であった.Charcot-Marie-Tooth病(CMT)が疑われ,遺伝子検査でMORC2S87L変異を認めため,CMT2Zと診断した.MORC2 S87L変異は重症な表現型をとり,SMA様に見えることがある.詳細な身体診察とNCSによる感覚神経障害の有無を確認する必要がある.
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(臨床神経, 61:262−264, 2021)
key words:CMT2Z,MORC2 S87L,脊髄性筋萎縮症

(受付日:2020年9月5日)