臨床神経学

症例報告

三叉神経領域の帯状疱疹をアメナメビルで治療後に帯状疱疹性髄膜脳炎と脳血管炎を合併した1例

谷口 葉子1), 加納 裕也1), 北村 太郎1), 三浦 敏靖1), 山田 健太郎1)*

Corresponding author: 名古屋市立東部医療センター脳神経内科〔〒464-8547 名古屋市千種区若水一丁目2番23号〕
1) 名古屋市立東部医療センター脳神経内科

症例は1ヶ月前に三叉神経第一枝領域の帯状疱疹をアメナメビル内服で治療された78歳女性.帯状疱疹後神経痛に対し入院治療中に左片麻痺が出現し,頭部MRIで右放線冠に急性期梗塞を認め転院した.発熱と意識障害がみられ,髄液検査と頭部造影MRIで帯状疱疹性髄膜脳炎と脳血管炎の合併と診断した.抗血栓療法に加えアシクロビル点滴とステロイドパルス療法で加療したが,意識障害が遷延した.アメナメビルは髄液移行性がほとんどないため,結果的に脳神経領域の帯状疱疹に対して不完全な治療となり,本例が重症化した経過に関連している可能性が示唆された.
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(臨床神経, 61:239−242, 2021)
key words:帯状疱疹性髄膜脳炎,帯状疱疹性脳血管炎,アメナメビル

(受付日:2020年8月14日)