臨床神経学

症例報告

間質性肺炎と筋症状を合併した抗Th/To抗体陽性全身性強皮症の1例

菊地 史織1)*, 澤田 潤1), 齋藤 司1), 片山 隆行1), 藤代 大介2), 西野 一三3), 長谷部 直幸1)

Corresponding author: 旭川医科大学内科学講座循環・呼吸・神経病態内科学分野〔〒078-8510 旭川市緑が丘東2条1丁目1番1号〕
1) 旭川医科大学内科学講座循環・呼吸・神経病態内科学分野
2) 旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野
3) 国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第一部

症例は62歳男性.四肢近位筋の筋力低下,筋痛により歩行困難となり入院した.手指の腫脹やRaynaud現象と共に非特異疹を認め,血清creatine kinase(CK)値は7,380U/lと著明に高値であり,急速に進行する間質性肺炎を認めた.筋生検では壊死・再生線維が主体であり,線維化は認めなかった.抗Th/To抗体陽性と共に,臨床的・組織学的に手指の皮膚硬化が認められ,抗Th/To抗体陽性全身性強皮症と診断した.本例は抗Th/To抗体陽性の全身性強皮症関連ミオパチーの筋病理所見について検討した初めての症例であり,免疫介在性壊死性ミオパチーの病理像を呈し,複数の免疫療法が有効であることを確認した.
Full Text of this Article in Japanese PDF (3999K)

(臨床神経, 61:228−233, 2021)
key words:抗Th/To抗体,全身性強皮症,壊死性ミオパチー,筋生検

(受付日:2020年7月1日)