臨床神経学

症例報告

頸部回旋が病態に関与した近位型平山病の1症例

都築 雨佳1)2), 安藤 哲朗1)*, 杉浦 真1), 川上 治1)

Corresponding author: 安城更生病院脳神経内科〔〒446-8602 愛知県安城市安城町東広畔28番地〕
1)安城更生病院脳神経内科
2)都築医院

症例は発症時16歳男性.高校生となり弓道を始めてから両側の三角筋,上腕二頭筋,腕橈骨筋などのC5,6髄節筋に筋力低下が亜急性に発症した.神経所見では,両側前腕外側の軽微な感覚障害と下肢の索路症候も伴っていた.前屈位の頸椎MRIとCT myelographyにて脊髄が後方硬膜により圧迫する所見を認めたことから,平山病と臨床像は異なるものの同病態の‘近位型平山病’と考えられた.弓を射る姿勢である頸部回旋位のCT myelographyでも脊髄圧迫を認めたことから,頸部回旋も脊髄症発現に関与していると考えられた.頸部前屈および回旋の制限のみで上肢の筋力低下と下肢の痙性が改善した.平山病において,頸部前屈に加えて頸部回旋も病態に関与する可能性がある.
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(臨床神経, 61:120−126, 2021)
key words:平山病,若年性一側上肢筋萎縮症,若年性遠位部髄節性筋萎縮症,頸椎回旋,flexion myelopathy

(受付日:2020年7月9日)