臨床神経学

総説

主訴に沿う画像診断の目「血管壁を意識した脳血管障害の画像診断」

戌亥 章平1), 山本 麻子2), 櫻井 圭太3)*

Corresponding author: 国立長寿医療研究センター放射線診療部〔〒474-8511 愛知県大府市森岡町7-430〕
1) 東京大学大学院医学系研究科生体物理医学専攻放射線医学講座
2) 帝京大学医学部放射線科学講座
3) 国立長寿医療研究センター 放射線診療部

近年,頭痛を呈する代表的な疾患の一つである脳動脈解離の画像診断は非侵襲的かつコントラスト分解能の高いMRIが主流になりつつある.しかしながら,脳動脈解離の本態である動脈壁の異常を評価するには血流のアーチファクトに強く,壁を明瞭に描出する空間分解能の高い撮像法が必要であり,漫然とMRIを撮像しても病変を見落としかねない.本稿では脳動脈解離のMRI診断に関して,血管壁イメージングを中心に解説する.
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(臨床神経, 60:573−580, 2020)
key words:脳動脈解離,MRI,血管壁イメージング

(受付日:2020年3月12日)