臨床神経学

症例報告

高Ca血症,四肢筋力低下で発症し,BHLを欠いた筋サルコイドーシスの1例

坂本 峻1)*, 末永 浩一1), 笠間 周平1), 木村 卓1), 芳川 浩男1)

Corresponding author: 兵庫医科大学脳神経内科〔〒663-8501 兵庫県西宮市武庫川町1-1〕
1)兵庫医科大学脳神経内科

症例は73歳男性である.6カ月で進行する全身倦怠感,四肢筋力低下,体重減少を主訴に入院した.血液検査上ではCa,ACE,リゾチーム,sIL-2R,ビタミン1,25(OH)2Dが高値であった.胸部X 線およびCT上BHLを認めず,気管支肺胞洗浄で,CD4/CD8比の上昇を認めた.67Ga-citrateシンチグラフィーでは大腿および肩〜上腕部にかけて集積を認め,T1強調画像でガドリニウム造影効果を認めたことより,右大腿直筋より筋生検を行った.筋生検で非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めたため筋サルコイドーシスと診断した.高Ca血症,四肢筋力低下で発症し,BHLを欠く筋サルコイドーシスはまれな症例である.
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(臨床神経, 59:200−204, 2019)
key words:高Ca 血症,筋サルコイドーシス,四肢筋力低下

(受付日:2018年12月4日)