臨床神経学

総説

急性期脳梗塞に対する血栓回収療法のエビデンスと適応

早川 幹人1)*

Corresponding author: 筑波大学医学医療系脳卒中予防・治療学講座〔〒305-8575 茨城県つくば市天王台1丁目1番1号〕
1)筑波大学医学医療系脳卒中予防・治療学講座

2014〜2015年にかけて公表された複数のランダム化比較試験により,「発症6時間以内に血管内治療開始可能な」「National Institutes of Health Stroke Scale スコア6以上」の「内頸動脈〜中大脳動脈M1閉塞」で「Alberta Stroke Program Early CT Score 6以上」の急性期脳梗塞症例に対する血栓回収療法は,内科治療に優る有効性を発揮することが証明された.2018年には,発症16ないし24時間までの特定の条件を満たす症例に対する治療の有効性も確立した.血栓回収療法は,今や適応を有する症例に対し施行すべき「標準治療」となっている.
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(臨床神経, 59:77−83, 2019)
key words:急性期脳梗塞,脳主幹動脈閉塞,血栓回収療法

(受付日:2018年10月30日)