原著
本邦におけるデュシェンヌ型筋ジストロフィーの診療実態
〜診療ガイドラインによって何が変わったか〜
松村 剛1)*, 小牧 宏文2)
*Corresponding author: 国立病院機構大阪刀根山医療センター脳神経内科〔〒5600852 大阪府豊中市刀根山511〕
1)国立病院機構大阪刀根山医療センター脳神経内科
2)独立行政法人国立精神・神経医療研究センタートランスレーショナルメディカルセンター
デュシェンヌ型筋ジストロフィーの診療実態について,ガイドライン発刊前と発刊4年後に神経内科及び小児神経科専門医を対象としたアンケート調査を行った.ガイドラインは利用頻度の高い情報源として支持され,ガイドライン後ではステロイド治療やリハビリテーション,脊椎変形の定期評価などでより積極的な傾向が見られ,呼吸ケア,栄養管理においては有意差を認めた.希少疾病では高いエビデンスが乏しく有用なガイドラインが作成困難との懸念もあったが,エキスパートの推奨を含むガイドラインは,診療経験の得にくい希少疾病における重要な標準化医療普及のツールであることが確認された.今回の解析結果も参考に改定を行っていく予定である.
Supplementary document
Original Questionnaire (Japanese)
Full Text of this Article in Japanese PDF (1170K)
(臨床神経, 59:723−729, 2019)
key words:デュシェンヌ型筋ジストロフィー,診療実態,アンケート調査,診療ガイドライン
(受付日:2019年7月10日)