臨床神経学

症例報告

バーコードリーダーの赤色点滅光により誘発された光感受性発作の2例

外山 祐一郎1)*, 川又 純1), 下濱 俊1)

Corresponding author: 札幌医科大学神経内科〔〒060-8543 北海道札幌市中央区南1条西16丁目〕
1)札幌医科大学神経内科

症例1は25歳の女性看護師.日勤看護業務中,バーコードリーダーを使用直後に転倒し強直間代発作が出現した.強直間代発作は5分程度で自然頓挫したが,意識減損が30分程度持続した.症例2は30歳の女性看護師.夜勤にて看護業務中,バーコードリーダーを使用し赤色点滅光を凝視した直後に起立困難となった.同僚看護師の名前が分からない等の見当識障害が出現した.5分程度見当識障害を認めたが徐々に改善し意識清明となった.両症例はバーコードリーダーの赤色点滅光により誘発された光感受性発作と考えられる.医療機器として病棟で使用されている赤色点滅光を発光するバーコードリーダーは発作誘発の可能性があり注意を要する.
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(臨床神経, 58:626−630, 2018)
key words:光感受性,光突発脳波反応,強直間代発作,意識減損,見当識障害

(受付日:2018年5月7日)