臨床神経学

短報

椎骨動脈解離によりOpalski症候群を呈した1例

打田 佑人1)*, 小林 晋2), 高田 幸児1), 継 泰城1)

Corresponding author: 豊川市民病院神経内科〔〒442-0857 愛知県豊川市八幡町野路23〕
1)豊川市民病院神経内科
2)豊川市民病院放射線科

52歳男性.突然の後頭部痛を自覚した数日後の起床時より,嘔気と浮動性めまいをきたし,救急搬送された.神経所見上,右Horner徴候,右上下肢の運動失調,右顔面および左半身の温痛覚低下,および右下肢主体の錐体路徴候をみとめた.頭部MRI画像では延髄下部右外側に急性期梗塞巣を,右椎骨動脈には狭窄や壁内血腫を同定した.以上より,右椎骨動脈解離にともなうOpalski症候群と診断した.一般的に,錐体交叉は延髄下部から頸髄上部の移行部であるとされているが,本症例においては,通常よりも高位で錐体交叉が生じているものと考えられた.
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(臨床神経, 55:497−500, 2015)
key words:Opalski症候群,椎骨動脈解離,錐体交叉

(受付日:2015年1月14日)