臨床神経学

症例報告

レベチラセタムが奏効したDravet症候群の成人例

井上 周子1)4), 矢澤 省吾2)*, 村原 貴史1), 山内 理香3), 下濱 俊1)

Corresponding author: 札幌医科大学医学部神経科学講座〔〒060-8556 北海道札幌市中央区南1条西17丁目〕
1)札幌医科大学医学部神経内科学講座
2)札幌医科大学医学部神経科学講座
3)札幌しらかば台病院
4)札幌宮の沢脳神経外科病院神経内科

症例は30歳,男性.乳児期に小児科でDravet症候群と診断され,バルプロ酸を主体に加療されたが月に1回以上の全身けいれん発作があり難治に経過した.28歳まで小児科で投薬を受けていたが,てんかん重積状態になったのを契機に神経内科へ紹介されて投薬を引き継いだ.29歳までの1年間にさらに3度の重積となった.患者の母親は処方の変更に消極的であったが,難治であることからくりかえし説明しレベチラセタムを追加投与したところ,全身けいれん発作は1年以上抑止され,本症の成人例にもレベチラセタムの効果を確認できた.また小児科のてんかん患者を引き継ぐ際の問題点も考察した.
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(臨床神経, 55:151−154, 2015)
key words:Dravet症候群,乳児重症ミオクロニーてんかん,レベチラセタム

(受付日:2014年3月25日)