臨床神経学

<関連分野融合 05>

脳磁図をもちいた神経ネットワーク障害の解明

飛松 省三1)

1)九州大学大学院医学研究院・臨床神経生理学分野〔〒812-8582 福岡県福岡市東区馬出3-1-1〕

最近のシステム神経科学では,種々の脳波帯域における神経振動,中でもγ振動(>30 Hz)が注目されている.サルの研究では,様々な認知機能に関係して神経振動が生じ,半球内および半球間での統合的な情報処理に重要であることが報告されている.脳磁図(MEG)によりヒトの大脳皮質ニューロンの神経活動にともなって生じた磁場をミリ秒単位の精度で記録し,さらに活動の起源を数ミリ単位の精度で推定できる.本講演では,MEGをもちいた神経ネットワーク障害に関するわれわれの知見を紹介した.
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(臨床神経, 54:960−962, 2014)
key words:ヒトの脳機能,非侵襲的計測,脳磁図,ニューラルネットワーク

(受付日:2014年5月23日)