臨床神経学

<レクチャーシリーズ 06-1> 診療に役立つ遺伝性ニューロパチーの話

Charcot-Marie-Tooth病の診療ポイント

中川 正法1)

1)京都府立医科大学附属北部医療センター〔〒629-2261 京都府与謝郡与謝野町男山481〕

Charcot-Marie-Tooth病(CMT)はもっとも頻度の高い遺伝性ニューロパチーあり,その有病率は約10人/人口10万人と推定される.次世代シークエンサーによる解析で原因遺伝子が50種類以上同定されている.CMTの遺伝子診断は,予後予測,治療研究への展開などで重要である.外科的治療,リハビリテーション,装具療法,日常生活上の工夫が機能維持・改善に有用である.CMTの根治的な治療法の開発は不十分であるが,新たな治療の試みが始まっている.CMT患者会と協力した研究班が組織されている.CMTの診療においては,他の希少性神経難病と同様に患者の訴えに真摯に耳を傾けることが必須である.
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(臨床神経, 54:950−952, 2014)
key words:シャルコー・マリー・トウース病,エクソームシークエンス,臨床病型,治療

(受付日:2014年5月23日)