臨床神経学

<公募Symposium 05-4> 認知症根本治療の実現へ向けて

本邦における認知症根本治療薬の臨床開発実現へ向けて:アルツハイマー病を中心に

中村 治雅1)

1)独立行政法人国立精神・神経医療研究センター〔〒187-8551 東京都小平市小川東町4-1-1〕

アルツハイマー病を代表とする認知症は認知機能障害の進行により日常生活が困難となり,患者本人のみならず介護者にもいちじるしい負担をきたすことから,新たな治療法の開発をふくめ早急な対策を必要とする疾患である.しかしながら,現時点で国内外において各種の認知症を根本的に治療できる薬剤は未だない.このような状況において,世界的にはアルツハイマー病を中心に認知症の根本的治療薬開発をめざし,疾患修飾薬の開発が活発におこなわれている.本稿では,アルツハイマー病を中心に現在の認知症治療薬の開発の現状とその課題,課題克服に向けたレギュラトリーサイエンスの取り組みを中心に述べる.
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(臨床神経, 54:1181−1183, 2014)
key words:認知症,アルツハイマー病,医薬品開発,レギュラトリーサイエンス,医薬品医療機器総合機構

(受付日:2014年5月21日)