臨床神経学

<Symposium 04-4> 頭痛診療におけるMissing Link

Cortical spreading depressionとpain

古和 久典1), 瀧川 洋史1), 中島 健二1)

1)鳥取大学医学部脳神経医科学講座脳神経内科学分野〔〒683-8504 鳥取県米子市西町36-1〕

片頭痛の病態は,未だ不明な部分が多く残されている.前兆は,皮質拡延性抑制(CSD)による現象と考えられている.片頭痛の痛みに関しては,Moskowitzらが提唱した三叉神経血管仮説が支持されている.“missing link”とされていたCSDと痛みとの関連性について,動物実験よりCSDが皮質を潅流する血管に分布している三叉神経終末を興奮させること,すなわち,CSDが頭痛発作を惹起させうることが明らかとなった.前兆のない片頭痛とCSDとの関連性については解明されていない.痛みは,遺伝的素因や女性ホルモンなどの内的要因,種々の外的要因によって,影響を受けていると考えられている.
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(臨床神経, 54:1006−1008, 2014)
key words:片頭痛,前兆,三叉神経血管仮説,ミッシングリンク

(受付日:2014年5月21日)