臨床神経学

原著

国内筋ジストロフィー専門入院施設におけるDuchenne型筋ジストロフィーの病状と死因の経年変化(1999年〜2012年)

齊藤 利雄1)*, 夛田羅 勝義2), 川井 充3)

Corresponding author: 国立病院機構刀根山病院神経内科・小児神経内科〔〒560-8552 豊中市刀根山5-1-1〕
1)国立病院機構刀根山病院神経内科・小児神経内科
2)徳島文理大学保健福祉学部
3)国立病院機構東埼玉病院神経内科

1999〜2012年の毎年10月1日時点で国内27筋ジストロフィー専門入院施設に入院中のDuchenne型筋ジストロフィー患者の病状と死因の経年変化を解析した.1999年は入院総数873例,平均年齢23.6歳,人工呼吸器装着率58.6%,経口摂取率は95.1%であったが,2012年には各々733例,30.1歳,86.1%,66.8%となった.胃瘻栄養例は経年的に増加した.死亡報告総数は521例で,死因の半数は心臓関連死であったが,死亡時平均年齢は2000年の26.7歳から2012年に32.4歳になった.集学的医療の効果によりDuchenne型筋ジストロフィーの寿命は延長している.
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(臨床神経, 54:783−790, 2014)
key words:筋ジストロフィー専門入院施設,Duchenne型筋ジストロフィー,人工呼吸器,集学的医療

(受付日:2013年11月4日)