臨床神経学

<ホットトピックス(4)―2 >

パーキンソン病以外の運動機能異常症状に対する機能的外科治療の位置づけ

平 孝臣1)

1)東京女子医科大学脳神経外科〔〒162-8666 東京都新宿区河田町8-1〕

パーキンソン病や本態性振戦(ET)のような不随意運動疾患以外にも,重度の痙縮,運動麻痺回復などが外科治療の対象となる.ETではposterior subthalamic areaが新たなターゲットとして注目を浴びている.また低侵襲的治療としてMRI内でおこなう経頭蓋集束超音波照射治療が注目されている.全身性ジストニアでは淡蒼球内節のDBSが確立されている.書痙や音楽家の動作特異性局所ジストニアも視床Vo核の手術により長期効果がえられる.軽微な外傷に続発する各種不随意運動やFixed dystoniaはしばしば治療に抵抗し,外科的治療の考慮も必要である.重度痙縮には髄腔内バクロフェン治療(ITB)が確立されているが,ボトックス注射の対象となる局所の痙縮には選択的末梢神経縮小術も有用である.
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(臨床神経, 53:966−968, 2013)
key words:ジストニア,痙縮,振戦,不随意運動,外科治療

(受付日:2013年6月1日)