臨床神経学

<ホットトピックス(3)―6 >

BMIの神経疾患治療への応用

吉峰 俊樹1), 柳沢 琢史1), 平田 雅之1)

1)大阪大学大学院医学系研究科脳神経外科学〔〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-2〕

Brain-machine interface(BMI)とは,脳と機械の間で信号をやり取りすることにより失われた神経機能の代行や回復の促進に役立てようとするものである.とくにこの10年間の進歩はいちじるしく,臨床研究から実用化に向けた開発が進められている.その開発は神経学,基礎神経科学,情報科学ならびに多くの工学領域が融合した新しい産業分野の創設につながるものと考えられるが,一方では,研究の進歩により脳活動,とくに神経信号処理について新しい知見をもたらし,様々な神経疾患の病態解明にも役立ち,新しい治療モダリティーの開発につながるものと期待される.
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(臨床神経, 53:962−965, 2013)
key words:ブレイン・マシン・インターフェイス,神経難病,皮質脳波,デコーディング,コンピューター

(受付日:2013年5月31日)