臨床神経学

<シンポジウム(4)―10―5>MG治療の現状を知り,今後を考える

リツキシマブ治療施行経験と提言

紺野 晋吾1)

1)東邦大学医療センター大橋病院神経内科〔〒153-8515 東京都目黒区大橋2丁目17-6〕

リツキシマブはマウス・ヒトキメラ型の抗CD20モノクローナル抗体でCD20陽リンパ球を特異的に傷害する薬剤で,本邦ではCD20陽性の悪性リンパ腫に対する治療薬として承認されている.近年,既存の免疫療法を組み合わせた治療に対して抵抗性の重症筋無力症の患者に対して,RTXの有効性が欧米を中心に報告されている.しかし,その効果の根拠証拠はほとんどがケーススタディやオープン試験に限定されている.現段階ではRTX投与にともなう副作用のリスクを理解し,投与を承諾した難治性MG患者への使用は考慮されてもよいであろう.今後,本邦におけるRTX投与に関する有効かつ安全なプロトコールの確立や保険適応の獲得が望まれる.
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(臨床神経, 53:1312−1314, 2013)
key words:重症筋無力症,リツキシマブ,CD20 表面マーカー,インフュージョンリアクション

(受付日:2013年6月1日)