臨床神経学

<シンポジウム(3)―10―3>神経筋疾患の超音波診断

筋疾患の超音波診断

寺澤 由佳1), 高松 直子1), 梶 龍兒1)

1)徳島大学ヘルスバイオサイエンス研究部臨床神経科学分野(神経内科)〔〒770-8503 徳島県徳島市蔵本町3丁目18-15〕

近年,超音波装置の改良にともない,神経・筋疾患においても超音波所見の報告が多くなされるようになってきた.筋超音波検査の観察項目としては,輝度の変化,萎縮や変性,特異な異常構造物の観察,筋膜肥厚,fasciculationの有無である.筋疾患を有すると総じて高輝度となり,罹患期間が長いと筋が萎縮し脂肪変性する.筋サルコイドーシス(結節型)のように,筋超音波検査で特異なサルコイド結節を観察できる疾患もある.現在のところ,筋の輝度変化に疾患特異性は少ないが,筋超音波検査は筋疾患の広がりの評価や筋生検の部位を決定するための補助診断として有用である.
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(臨床神経, 53:1212−1214, 2013)
key words:筋超音波

(受付日:2013年5月31日)